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- OYK菌とは
OYK菌は、有害バクテリアに対し、強力なバリア作用を有し、人と環境に対する安全性は、
(株)エスアールディ・(株)京都動物検査センター・日本植物防疫センターにて証明され、各界の注目を浴びています。
OYK菌は、日本の土の中より見つけました。数多くのバクテリアの中でOYK菌がどの種属に入るのかをBergey's Mannual of Determinative Bacteriologyにもとづき同定した結果、Bacillus subtilisと決定しました。この種属には私たちになじみの深い納豆を作る納豆菌が有り細菌学的には安全な種属と言われています。
しかしこの種属の中には、人や動物に対して危険なβ溶血性を持つものがあり、中には市販されているものさえあります。もちろん弊社のOYK菌は、溶血性等、人畜に有害な性質は全くありません。
OYK菌は通産省生命工学研究所で1996年4月30日FERM P-15607~15609の受託番号で登録しましたが、国際特許の関連で1998年6月29日FERM BP-6396の受託番号でブタベスト条約様式にて国際寄託をしております。
また日本スポア研究会(スポアとは胞子のことでその代表的なものにBacillus属がある)の第一人者である摂南大学薬学部の渡部一仁教授の指導の下にOYK菌のDNA塩基配列解読も完了しています。そのDNAデータはジーンバンクに登録され、検索の結果新種であることも確認されています。
溶血性のないものは、コロニーの縁がなく、ピントが合っていない様に見える。溶血性のあるものは、コロニーの縁の血液が溶けて、黒の輪郭が鮮明に見える。
極めて安全と言われるBacillus subtilisの類縁菌であるOYK菌ですが、類似品で市販されているものの中に危険な溶血性を持つ種もあることから、OYK菌の安全性を徹底的に調査しました。
安全テストは厚生省、農水省、労働省、通産省から動物実験設備(GLP)の認定を受けている(株)エスアールディ・(株)京都動物検査センターで実施しました。また日本の各省の認定基準は欧米の基準と同じであることから、(株)エスアールディ・(株)京都動物検査センターが安全であると判定すれば日本はもちろんの事欧米でも安全であることになります。
テスト方法は、農水省の“農薬の毒性試験の適正実施に関する基準について”(昭和59年8月10日)及び“微生物農薬の安全性評価に関する基準(案)”(平成8年3月)に基づき実施しました。
この方法はマウスと兎それぞれ数百匹を使用し、10億個/gr濃度のOYK菌液を経口(口から飲ませる)、経気道(鼻から吸わせる)、静脈内(菌液を静脈注射する)、経皮(菌液を皮膚に塗り付ける)、の4つの投与方法で投与しながら観察を続けます。
解剖した検体から全ての臓器を取り出し、その中に残存する投与されたOYK菌の菌数を測定し、病理学的な所見もあわせ感染性、病原性、毒性に関する安全性を判定するものです。
この結果OYK菌に関して人と動物に対して安全であることが確認されています。
1.形態的特性
2万倍電子顕微鏡写真でお解りいただける通りBacillus subtilis標準菌(IFO-3134株)に比べOYK菌体は4~10倍程度大きいのです。
菌の増殖とは菌の周りにある有機物を分解して吸収しやすい形状に変化させ、吸収した栄養分を菌体を構成するのに必要な物質に変えることです。ここで発生するエネルギーを、増殖による代謝エネルギーと言っています。大きい菌体と小さい菌体では、1回の増殖で発生するこの代謝エネルギーは、当然大きい方が多くなります。このことが堆肥化促進の大きな効果の理由の1つです。その上OYK菌に適切な富栄養源を添加してありますので適切な水分調整の下では爆発的な増殖エネルギーによる効果を示します。
電子顕微鏡写真
2.増殖特性
菌の増殖の状況を表す方法として、縦軸に菌数の対数を取り、横軸に時間を取ってプロットしたグラフを増殖曲線と呼んでいます。
下のグラフは、ニュートリエントブロスの液体培地で37度にて振とう培養した時のOYK菌とBacillus subtilis標準菌の増殖曲線を示しています。
これで見るとこの2つに大きな差があることに気が付かれると思います。それは、右肩上がりで直線的(対数増殖)に増殖する時期が大きくずれており、OYK菌はすぐに直線的に増殖するのに対して標準菌はOYK菌から約7時間後から直線的な増殖に移ることです。
直線的に増殖する前の段階は誘導期と呼ばれており、新しい環境に置かれた菌体がその状況に適応し増殖開始を準備する期間といわれています。OYK菌はこの誘導期が極めて短いと考えられます。このことを言いかえれば初期増殖速度(投入開始から4時間経過後まで)が標準菌に比べOYK菌は極端に大きい事になります。投入から4時間でOYK菌が約8万倍の代謝エネルギーを発生するのに対して、標準菌では6倍程度です。この現象は、発酵の早さ、植物の場合の肥料吸収力の強さ、消臭力の強さに関連します。
OYK菌とBacillus subtilis標準菌との増殖比較
(37℃、NB培地、振とう培養)
体が4~10倍大きくて増殖力が1万倍以上であるため、他の微生物の増殖する隙間を与えないので、他の微生物が増殖できません。
これは、抗生物質等の他の微生物に対する拮抗作用で抑えるのではないので、抗生物質で発生するような副作用が全くなく、きわめて安全です。
OYK菌または標準菌の上に感染菌の4つの濃度(個/g)を
滴下して培養しました。
OYK菌
通常菌
イラストでの具体例
- 他の微生物が繁殖出来ない環境をつくる。
- 有機物を分解する多量の酵素を出す。
具体例1
-
OYK菌
例えるなら
おすもうさん6万人
隙間がない -
通常菌
例えるなら
幼稚園児6人
隙間がある
具体例2
-
OYK菌
隙間がないから
他の微生物の
増殖を抑える -
通常菌
隙間がたくさん
あるから他の微生物が
増殖できる
OYK菌は自身の持つ拮抗作用と菌体生成物から、有害菌や植物病原菌に対して抗菌活性を持っています。
有害細菌としてMRSAを含む黄色ブドウ球菌、肺炎桿菌、O-157を含む大腸菌、緑膿菌、レジオネラ菌等、植物病原菌としてはフザリウム等です。
これらの有害菌に対する抗菌性は、衛生的な堆肥を生産する上で有効であると考えられます。